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瀬戸際にたたされる霊長類
霊長類の4種に1種が絶滅の危機
絶滅危惧霊長類に関する調査報告書 2004〜2006年版 発表
マダガスカル、アンタナナリボ−コンサベーション・インターナショナル(CI)と国際資源保護連合(IUCN)の霊長類専門家グループ−ワールド・コンサベーション・ユニオンの種の保存委員会(SSC)と国際霊長類学会(IPS)―が、人類に最も近い種族である世界の類人猿やキツネザルなどの霊長類が、増大する人間活動の脅威に直面しており、その何種かは絶滅の危機にあるという調査報告書を発表しました。
この報告書「危険な状態にある霊長類:世界の絶滅危惧霊長類トップ25, 2004〜2006年版」により、625の種および亜種が存在する霊長類のうち、25%、すなわち4種のうち1種が絶滅のリスクにさらされていることが明らかにされました。 報告書は16カ国から50人以上の専門家によるもので、森林破壊、商業用の野生動物の食肉狩猟、違法な動物取引が第一の脅威だとしており、対応を誤ると一世紀後には最初の霊長類の絶滅をもたらすだろうと警告しています。
べトナムのGolden-headed langurと中国のHainan gibbonはたった数十頭を数えるのみで、スリランカのホートン・プレインズホソロリス(Horton Plains slender loris)は1937年以降たった4回しか確認されていません。 さらに、マダガスカルのPerrier's sifakaとケニアのTana River red colobusは、今や小さく分断された熱帯雨林に生息を制限されており、急速な減少に対して無防備な状態にされています。
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Goldern-headed _Langur
(Photo: Russ Mittermier)
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Tonkin snub-nosed monkey, Rhinopithecus avunculus
(Photo: Tilo Nadler)
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ハンターは霊長類を食物として、また肉を売るために殺し、商人は生きたまま売るために捕らえ、木材伐採者、農民そして開発業者らは彼らの生息場所を破壊しているのです。
「ますます、霊長類は縮小する熱帯雨林の奥に追い込まれていっています。」とCIの会長であり、またIUCN-SSCの霊長類専門家グループ議長でもあるラッセル・A・ミッタマイヤーはいいます。「生物多様性ホットスポット(地球上で最も生物多様性が豊かでありながら危機的状況にある)のひとつであるマダガスカルでは、まさに原生の森林はほとんど失われてしまっています。
ここに生息する大半のキツネザルは、世界中でここだけにしか見つかっていないものですが、絶滅の危機に瀕しています。早急にこれらの固有な生き物と生息場所の保護に乗り出さない限り、我々は地球上の自然遺産の多くを永遠に失ってしまうでしょう。」
「イタリアのトゥーリン(Turin)で開かれた第20回国際霊長類学会大会において編集された「世界の絶滅危惧霊長類トップ25, 2004〜2006年版」は、2000年および2002年の報告に続くものです。
新しいリストにおいて、インドネシアのスマトラ・オランウータン(Sumatran orangutan)と、ブラジルのキタムリキ(northern
muriqui)を含む15種の霊長類は「3連敗」でいままでの3つすべてのリストに掲載されています。 7種は2004-2006年版で新たに追加され、3種は以前に一度だけ掲載されたものです。
マダガスカルとベトナムからはそれぞれ4種が新しいリストに掲載されており、ブラジルとインドネシアは3種、続いてスリランカとタンザニアは2種、1種ずつがコロンビア、中国、カメルーン、象牙海岸、赤道ギニア、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、ルワンダ、ウガンダ、コンゴ民主共和国から掲載されています。リストに掲載された霊長類のうち、複数の国に生息するものもいます。
地域的に見ると、リストには10種がアジアから、7種がアフリカから、4種がマダガスカルから、4種が南アメリカからであり、サル、キツネザル、大型類人猿、またその他人類以外の霊長類は地球上のあらゆるところでその生存が脅かされていることが分かります。
2004-2006年版のリストに掲載された25種はすべて、CIが選定した34個所のホットスポットに生息しています。ホットスポットは地球の陸地のたった2.3%ですが、すべての陸上の植物と動物の50%以上の多様性を擁しています。
ホットスポットのうち8箇所は、絶滅の危機にある霊長類の保護のために最も重要だと考えられています。その地域とは、インドビルマ、マダガスカルおよびインド洋諸島、スンダランド、東アフリカ山岳地帯、東アフリカ沿岸林地域、西アフリカ・ギニア森林、アトランティック・フォレスト、そしてインド西ガーツおよびスリランカです。
報告書によれば、主に農業・林業・燃料木の採取のために熱帯雨林を伐採することによる生息場所の喪失により、霊長類の生息数が減少し続けています。
特にアフリカとアジアにおいては、生計のためや商業目的の狩猟もまた大きな油断のならない脅威です。また、アジアでは、ペットとして売るための生きた状態での捕獲も、深刻な脅威を引き起こしています。
「東南アジアの霊長類は違法取引による利益が大きいため、常に密猟の危険にさらされています。」とCIの生物多様性応用自然科学センター(CABS)で、絶滅危惧種プログラムマネージャーのシャンタル・エルキンは指摘しています。
「いくつかの地域で絶滅が危惧される霊長類は、オランウータンやギボンがよく知られていますが、ペットとして捕獲されていますが、多くは伝統薬の材料のため狩猟され取引されているのです。ほとんどが国際市場、主に中国に向けて輸出されます。」
「フラッグシップ・スピーシーズ(その種の保全が自然環境の保全をアピールすることにつながる象徴種を意味する)」であり、我々の最も近い種族として、人類以外の霊長類は、それを取り巻く生態系の健全性にとって重要な存在です。食糧として消費した果実の種子などを排泄することで広範囲に拡散させることで、森林を形成する動植物の成長やそこに生息する動物の生活を支えています。
2004〜2006年版のリストは、ただの数字でなく全体的な脅威の深刻さに焦点を当てています。例えばスマトラ・オランウータン(Sumatran
orangutan)のように、数千頭を数えているものの、他の霊長類よりも早い割合で減っているものもいます。昨年12月にスマトラの海岸地帯を破壊した津波によって、地域住民の再定住を余儀なくし、オランウータンの生息場所に対して新たな脅威の種を引き起こしています。
2002年版リストからの変化は、その他の危機的状況にある霊長類への注目を引き付けるという意向を反映させています。例えば、ミスウォルドロン・アカコロブス(Miss
Waldron's red colobus)は生息が確認されないまま数十年たっていますが、他のコロブスの種も大変重大な脅威の下にあることを示す為に、ビオコアカコロブス(Bioko
red colobus)と入れ替えられました。
「様々なデータから、アフリカの霊長類の最初の絶滅はアカコロブスから始まると思われます。」と、CIの東アフリカホットスポットプログラムの部長、トーマス・ブチンスキーは述べています。「ガーナおよび象牙海岸のミスウォルドロン・アカコロブス(Miss
Waldron's red colobus)と、コンゴ民主共和国のブービア・アカコロブス(Bouvier's red colobus)はすでに絶滅している可能性があり、一方ケニアのボウシマンガベイ(Tana
River red colobus)と赤道ギニアのビオコアカコロブス(Bioko red colobus)は今後20年以内に絶滅する可能性が高いといえます。」
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(翻訳・CIボランティア 西本華奈)
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